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精神科

精神科

当クリニックの対象は思春期・青年期(具体的にはおおむね中学生以上)から老年期までのあらゆる精神障害です。おとなの発達障害に関しては診断可能ですが治療は専門外です。コンサータ等も処方はできません。ただし、発達障害に伴ううつ病や解離性障害といった併存疾患には対応可能です。
また、解離性同一症DIDや複雑性PTSDといった重症の解離性障害およびトラウマ関連障害には十分な経験があると思っています。その他、性別不合と名称が変わって脱病理化されたGIDに関しても診断書の発行等といった対応が可能です。もちろん、うつ病や統合失調症、不安障害や強迫性障害といった神経症性障害には問題なく対応できます。認知症やアディクションも専門にはしていませんが標準的な対応は可能です。

こんな時はどうする?

Q
最近、もの忘れが増えたかも
A

もの忘れ(健忘)には老化現象やその延長線上の認知症によるもののほかに、解離によるもの(解離性健忘)もあります。
特に、まだ若くて年齢不相応なもの忘れは解離性健忘を疑っても良いでしょう。数分程度から数時間程度の解離性健忘は若い女性に多く、記憶のない間に自傷行為やオーバードーズをしてしまう場合もあります。そのまま認知症になるのではないかと心配される方もおられますが、基本的には元に戻るものなので過度な心配は無用です。
また、うつ病でも思考力が低下するためにもの忘れを訴えることがあります。その場合、うつ病が回復すればもの忘れもよくなるので早めの受診をお勧めします。

Q
時々声が聞こえるんだけど、精神病になったのか心配
A

幻聴はほとんどの場合、統合失調症に特有のものと思われているのでなかなか相談しにくい症状のひとつです。もちろん、統合失調症の重要な症状ではありますが、それ以外でもよく見られます。
その代表的なものはまず解離性幻聴です。たとえばPTSDのフラッシュバックの際には外傷的出来事の想起とともにその時に聞いた声も聞こえてきます。声だけでなく映像や体の痛みを伴う場合もあります。また、複雑性PTSDや解離性同一性障害では、別の解離性人格部分が話しかけてくる声が聞こえることもあります。そのほかにはアルコールや覚せい剤、合法ハーブ等の依存性薬物による幻聴もあります。中には病気の範疇に入らないものもありますので、気兼ねなく相談されてください。

Q
周囲から気分の浮き沈みが激しいと言われた
A

気分が落ち込んで何もしたくなくない、あるいは今までにないくらい絶好調で何でもできそうに思える時は双極性感情障害かもしれません。昔、躁うつ病と呼ばれていたⅠ型の双極性感情障害の他によりマイルドなタイプである双極性感情障害Ⅱ型もあります。かつてボーダーラインと呼ばれていた情緒不安定性パーソナリティ障害のジェットコースターに譬えられる気分不安定性もそれに近いものです。また、しばしば混同されますがうつ病エピソードしか体験しない単極性のうつ病と双極性感情障害はまったく異なる疾患です。処方する薬も対応も異なるので専門家に相談されるのが無難です。

Q
家から出られないけど、これってひきこもり?
A

家から出られないのには様々な理由があります。たとえば、うつ状態で外出すること自体が億劫な場合(うつ病)、周囲から監視され危害を加えられるような気がして出られない場合(統合失調症)、人が怖い(社会不安障害)、外に出るとパニック発作が起きる(パニック障害)など。中には外の世界が不潔に感じられて家にひきこもる場合(強迫性障害)もあります。
また、ひきこもりというと家からまったく出られない状態を想像しがちですが、買い物等、必要であれば外に出られる人も少なくありません。ただ、仕事や就学といった社会参加をしない状態が一定期間続く場合に社会的ひきこもりと便宜上定義しているのです。理由はどうであれ、少しでもそうした状態から抜け出したいと考えているのであれば、何かお手伝いができるかもしれません。

Q
過去のトラウマ体験からなかなか立ち直れない
A

いじめや虐待、セクハラやパワハラ、事故や災害等、人生には様々なトラウマ的出来事があります。周囲の適切なサポートや十分な時間があれば多くの人は自然と立ち直っていきますが、中にはそこで時間が止まってしまっていつまでも経っても立ち直れない人もいます。そして、立ち直れないのは自分が弱いからで悪いのは自分だと延々と責め続けます。自責感に苛まれ、誰ひとりとして信用できず、未来に何の希望も持てない状態は非常につらいものです。
そうしたトラウマからの回復には自尊心を取り戻すことも重要です。そのためには治療だけでなく法律的なアドボケートが必要な場合もあります。まずは一度相談に来られて下さい。

Q
分かっちゃいるけど止められない。これも病気?
A

人は生きる上で大なり小なり何かにアディクト(嗜癖)して生きています。たとえば家族や友人といった人間関係、あるいは仕事や趣味等。生活が破綻しない範囲の嗜癖であれば何も問題ありませんが、しばしばコントロールを喪失してにっちもさっちもいかなくなる場合があります。
嗜癖する対象はアルコールや依存性薬物などの物質(アルコール依存、薬物依存)か、過食や拒食(摂食障害)あるいはギャンブルやゲーム(ギャンブル依存、ゲーム依存)等の行為のプロセスに大きく分けられます。こうした嗜癖問題からの回復には医療機関での薬物療法や認知行動療法のほかに、伝統的にセルフ・ヘルプ・グループが大きな役割を担ってきました。最近では、様々な治療共同体(TC)の活動も知られるようになってきており、ピアの活動が非常に重要視される分野です。

Q
LGBTって病気なの?
A

LGBTのひとつである同性愛が病気とみなされるようになったのはそれほど昔のことではありません。そして、ICD-11をもってLGBTはついに脱病理化され、精神障害の範疇から外されることになりました。したがって、LGBTはもはや治療対象ではありませんが、世の中の偏見や無理解は続いています。そのため中にはうつ病やPTSDになる人もいます。
また、現状では日本でトランスジェンダーの人が性別適合手術(SRS)を受ける場合、日本精神神経学会が定めたガイドラインに準拠する必要があり、精神科医の診断書が必要になる場合もあります。病院に相談するべきかどうか迷っている方は是非一度相談に来られて下さい。